専門業者による駆除作業が終わり、家の中からねずみの気配が消えた。しかし、それで安心してはいけません。ねずみ駆除は、「駆除して終わり」ではないのです。彼らが残していった、目に見える、そして目に見えない「負の遺産」を、徹底的に清掃し、消毒する作業が、健康被害を防ぎ、本当の意味で安全な住環境を取り戻すためには、不可欠なのです。ねずみが棲みついていた場所、特に天井裏や床下、壁の中は、大量の「ふん」や「尿」で汚染されています。これらの排泄物には、サルモネラ菌やレプトスピラ菌といった、食中毒や感染症の原因となる、様々な病原菌が潜んでいます。また、乾燥したふん尿は、砕けて微細な粒子となり、空気中を漂って、アレルギーや喘息の原因となることもあります。プロの駆-除業者の多くは、駆除作業の一環として、このふん尿の清掃と、殺菌・消毒作業を行ってくれます。専用の掃除機でふんを吸引し、その後、業務用の殺菌・消毒剤を噴霧して、病原菌を徹底的に死滅させるのです。この作業が、見積もりにきちんと含まれているか、契約前に必ず確認しましょう。また、ねずみの体には、「イエダニ」や「ノミ」が大量に寄生しています。家主であるねずみが駆除されると、これらの吸血性のダニやノミは、新たな吸血対象を求めて、天井裏などから室内に移動し、人間に襲いかかってくることがあります。「ねずみを駆-除したら、ダニに刺されるようになった」というケースは、実は非常に多いのです。これを防ぐために、駆除作業と同時に、殺ダニ・殺ノミ用の薬剤を、天井裏などに散布してもらう「二次被害対策」も、極めて重要です。さらに、ねずみが巣材として使っていた、断熱材の残骸や、ビニールの破片なども、すべてきれいに撤去する必要があります。これらの清掃・消毒・二次被害対策を、駆除作業とセットで、責任を持って行ってくれるかどうか。それが、単なる「ねずみ退治屋」と、衛生環境全体を改善してくれる「プロのペストコントロール業者」とを見分ける、大きな違いと言えるでしょう。
ねずみ駆除の後の清掃と消毒の重要性