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ゴミ屋敷の掃除を始める前に知るべき鉄則と準備
足の踏み場もないほどのゴミの山を前に、「さあ、掃除をしよう」と決意したその勇気は、何物にも代えがたいものです。しかし、その決意を無駄にしないためにも、闇雲に手を付けるのは絶対にやめてください。ゴミ屋敷の掃除は、普段の部屋の片付けとは全く次元の異なる、危険を伴う特殊な作業です。成功の鍵は、始める前の「心構え」と「準備」にあると言っても過言ではありません。まず心に刻むべきは、これは長期戦であるということです。一日や二日で終わるものではありません。数週間、場合によっては数ヶ月かかることも覚悟し、完璧を目指さないことが大切です。完璧主義は、途中で挫折する最大の原因となります。「今日はここまで」と割り切る勇気を持ちましょう。そして何より、自分を責めないこと。過去を悔やむのではなく、未来の快適な生活を取り戻すための作業だと前向きに捉えることが、心のエネルギーを保つ秘訣です。次に、自分の身を守るための準備です。ゴミの山には、割れたガラス、錆びた金属、カビ、害虫など、無数の危険が潜んでいます。怪我や健康被害を防ぐため、以下の装備は必ず揃えてください。まず、粉塵やカビの胞子を吸い込まないための「防塵マスク」。できれば、より性能の高いN95規格のものが望ましいです。目を保護するための「ゴーグル」、手を守るための「厚手のゴム手袋」や「軍手」。そして、肌の露出を避けるための「長袖・長ズボン」と、釘などを踏み抜かないよう「底の厚い靴」。これらは決して大げさな装備ではありません。掃除に必要な道具としては、大量の「ゴミ袋(自治体指定のもの、大・小)」、「ガムテープ」、「油性マジック(分別内容を記入するため)」、「ほうき・ちりとり」、「カッターナイフ」、「雑巾」、「バケツ」などを用意しましょう。準備が万全であれば、心にも余裕が生まれ、安全かつ効率的に作業を進めることができます。焦らず、まずは自分の身を守ることから始めてください。