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徘徊防止のための鍵の選び方!ご本人に合った最適なロックシステム
認知症の方の徘徊防止のための鍵選びは、その方の認知レベル、身体能力、そして日々の生活スタイルを考慮した「ご本人に合った」最適なロックシステムを選ぶことが非常に重要です。画一的な対策ではなく、個々の状況に合わせた選択が、最も効果的で、かつご本人や介護者の負担を軽減する鍵となります。まず、ご本人の認知レベルを正確に把握することが大切です。認知症の初期段階であれば、複雑な操作を要する鍵でも、学習して解錠してしまう可能性があります。しかし、進行が進むにつれて、単純な操作も困難になることがあります。この認知レベルに合わせて、鍵の複雑さを選びましょう。例えば、初期段階では、通常の鍵に加えて、上下にスライドするタイプの補助錠や、複数の動作を組み合わせないと開かないドアガードなどが有効です。これらの鍵は、一時的にご本人が解錠に手間取る時間を作り出し、介護者が気づくきっかけを与えてくれます。次に、ご本人の身体能力も考慮に入れるべきです。例えば、手の力が弱くなっている方であれば、小さな鍵を回すタイプの補助錠は操作しにくいかもしれません。逆に、腕力がある方であれば、チェーンロックなどを無理に引っ張って壊してしまう可能性もあります。手の力が弱い方には、指で押すボタン式や、回す際に強い力が必要なタイプのサムターンなど、身体能力に合わせた選択が必要です。また、ご本人の視覚認知能力も重要です。視力が低下している方や、色の識別が難しい方には、目立つ色や大きな形状の鍵を選ぶと、かえってご本人が操作方法を学習してしまう可能性があります。鍵を目立たなくさせるカモフラージュも、選択肢の一つです。さらに、日々の生活スタイルも鍵選びに影響します。ご本人が一人で過ごす時間が多いのか、常に介護者が付き添っているのかによって、必要なセキュリティレベルは変わってきます。一人で過ごす時間が長い場合は、より強固で複雑なロックシステムが必要となるでしょう。